|
「中国」という語の元々の意味は、中華思想に基づく「国の中心」「世界の中心」を意味する空間的概念を基礎とする自称であり、特定の地域を指す語ではなかった。
今日「中国」と呼ばれている地域は、地理的にはアジア大陸の東部に広がる地域、中国大陸とそれに付随する島嶼にあたる。この地域では、現代の中国社会の中心的地位を占めている漢民族をはじめとして、一時は中国全土を支配していたモンゴルなど、様々な民族による異なる王朝が出現、滅亡、戦乱を繰り返してきた。
清代までの中国には「国家」という概念は無く、「天下あって国家無し」と言える状態だったため、王朝の名前が対外・対内的な呼称として使われていた。
19世紀半ば以降、中国が世界的な主権国家体制に組み込まれてゆく過程で、「中国」という語が主権国家の自称として広く用いられようになり、次第に固有名詞としての性格を濃くしていった。
現在では中国の地域、文明、民族を広く指す用語として用いられ、そこで成立した中華民国、中華人民共和国に対する略称としても用いられる。また、その地域に紀元前から継続する文明の総体をも指して使用されている。 |