趙明 役 / アンソン
1974年生まれ、香港出身。
香港理工大学インダストリアルデザイン学科を卒業後、日本企業に就職し、1999年に私費留学生として来日。日本語学校を経て、日本大学芸術学部演劇学科演技コースで学び、2006年に首席で卒業。その後は東京演劇集団「風」に入団し、TPTを経て東京で演劇活動を続ける。現在は香港で舞台を中心に俳優活動を続け、「オリバー」のビル役、「オズの魔法使い」のブリキ役、「王様と私」の王様役でミュージカルに出演する一方、香港を代表する劇団の香港話劇団、中英劇団、進劇場、劇場空間などの舞台にも出演する。香港日本文化協会やRTHK(香港国営放送局)などの団体における日本文化に関わる活動にも力を注ぐ。
アンソン・ラムブログ:http://blog.goo.ne.jp/ansonlam
私はこの映画を観る度、まさに私が日本で暮らしていた8年間で見てきたもの、感じてきたものの集大成だと感じる。私は日本留学中、学費と生活のために飲食店やテレビ番組のエキストラや通訳などの仕事をした。その中で、日本人はもちろん、様々な国の人々と触れ合い、故郷にいる時よりも喜怒哀楽を多く感じたような気がする。日本での暮らしは言葉や文化の違いから誤解も生じやすいと感じたが、そのお陰で違う国の人と同じ社会で一緒に生きていくには何が一番必要かということを学んだ。それは心だ。そして、人に対する尊重の気持ちが一番大事だと考えるようになった。
幸いなことに、留学生だった私はたまたま役者の仕事をするようになり、映画を通して皆さんに他の外国人も感じたものを伝えることが出来たと思う。「郷に入れば郷に従え」ということを常に大事にし、違う文化も尊重して欲しいと私は考える。是非この映画を見て何かを感じてもらえれば幸せだ。私と主人公の趙明とは共通点があるので感じやすいものもあるだろうが、もし私が登場人物のことをまったく知らずに客観的にこの映画を観たとしても、異国で自分の国よりも制約が多いところで頑張っている人々の姿にやはり心を打たれるだろう。
任監督が描いた誠実で繊細な人物は、私たちの見たいもの、知りたいもの、そして考えたいものを示してくれた。是非この映画を見て、人生を精一杯生きている人たちのことを思い出し、人間はみな平等だと思って欲しい。そして夢を諦めずに持っていて欲しい。