作曲家・ピアニスト。島根県太田市出身。
1992年からイギリス・ドイツを中心に世界各国でコンサート活動を展開。(国内では東京オペラシティ、東京芸術劇場、文京シビックホール他)2002年「同時多発テロから1年、追悼と平和への祈り」チャリティイベントのテーマ曲として「Peace on Earth」を発表。この間「nature」「toki」「この道の向こうに」「風の記憶」「空からのおくりもの」「さかさま時計」「風の道」「ララバイ」「forest」他のCDをリリース。その楽曲は「どこか懐かしさを感じさせる普遍的な味わいがある」「深く暖かいやすらぎの世界へ導く作品」として高く評価され静かなブームを作る。2003年ソニーミュージックレコーズよりリリースされたコンピレーションアルバム「東風」に参加、山崎箜山と共演。2005年NHKスペシャル「絶滅から救えるか、アムールヒョウ」の音楽制作を手がけ、フランス・アルベーヌ音楽祭で審査員特別賞、及び編集賞を受賞。映画音楽制作、TV、ラジオでも現在多数の楽曲が採用されている。
公式サイト:http://www.geocities.jp/sitekosenori/

そのメールは2005年の年明け間もない頃に届きました。浜辺プロデューサーから直接のメールで、かつてCDショップの視聴器で聞いたピアノが忘れられなくて、大晦日にネット検索を重ねに重ねてやっと自分を見つけた、是非一度会って話したいことがある、という内容のものでした。

そのご縁がきっかけで、映画「私の叙情的な時代」に参加させていただくことになりました。最初のオファーは、間もなく始まるクランクインの前にテーマ曲になるものを出してほしいといういきなりのものでした。任監督も交えて映画について色々話を聞きました。アジアの国々の人が登場するものなので、バイオリンを交えたアジアの大陸的な感じが希望というものでした。

その打ち合わせから帰る道々、ふと出てきたのです、聞こえてきたのです、テーマ曲の冒頭の旋律が。すぐに自宅に戻ってピアノに向かい、頭の中でリフレインしていたその旋律を弾いてみました。そしてそのメロディの先にするすると音が出てきて、曲はその夜のうちに紡ぎ上げるように出来上がりました。

丁度その頃ドイツから帰国していたバイオリニストに仮録音を付き合ってもらってデモを作成。数日後には監督とプロデューサーにデモを渡していました。イヤホンに集中していた彼らの表情がぱっと変わったことを覚えています。聞き終えた後、満面の笑みで「いいですね~」と言っていただいたことの嬉しさといったら!

撮影と同時に自分もチームの一人として映画と関わっていきました。のめりこむように入って行き、その間にできたたくさんの曲を場面との関係を決め付けずにごっそり預けました。あの時のレコーディングは「ものづくり」人間のモチベーションが大いに盛り上がった時間でした。曲と場面はお互いを引き付けるように場面場面に嵌って行きました。長い長い時間をかけて出来上がった作品がこうして評価されること、そしてこの作品に関われたことの幸せを今改めて感じています。